職人の手仕事にこだわり、履き手を思いやる創意工夫に満ちたブーツ作り続けるローリングダブトリオ(Rolling dub trio)。デザイナーである徳永勝也氏の手から産み出されるブーツは、アメリカンカジュアルのジャンルを中心に絶大な支持を集める。
エンジニアからレースアップ、さらにはローカットシューズまで、多彩なモデルラインアップを誇る同ブランドだが、今回紹介するのは「PLUMBER」と名付けられたツートンブーツだ。
世界有数の一流タンナーと名高いホーウィン社のクロムセクセルレザーに、創業1920年の中村千之助商店が手掛けた上質なスウェードを組み合わせたコンビモデル。ソールには無骨なビブラム#100を使うが、夏場でも違和感なく履ける軽快なイメージを演出している。
クロムエクセルレザーの特徴は、なんと言っても革好きにはたまらないエイジングに尽きる。1905年にアメリカ・シカゴで創業したホーウィン社は、100年以上変わらぬ伝統の鞣し技法を継承。美しく繊細、かつ強靱な革は、世界中の一流ブランドが指名するほどの品質を持つ。
牛革の中で一番の強度を誇るステアハイド、しかも厚み2.5ミリ以上の原皮のみを選んで鞣されるクロムエクセルレザー。鞣しは約100年前に開発された手法で、牛脂、蜜蝋、植物性脂、魚脂の計4種類以上の油脂をブレンドした特性オイルを皮革に浸透させている。そのため、折り曲げると脂が走り、色の濃淡が現れ、独特の風合いを楽しむことができるのだ。
日本人に合わせたオリジナルの木型を使ったローリングダブトリオのブーツは、見た目の美しさだけでなく、抜群の履き心地も約束してくれる。夏にこそブーツを履きたくなるブーツ偏愛者にこそおすすめの一流品である。(出典:上野アメ横 靴店 フットモンキー)