以前、このブログで私が愛用する「FUJI X-T1」を紹介した。一眼レフほど大きくなく、機動性に富んだミラーレス。35ミリ単焦点を付けたX-T1とズームレンズ1本をドンケに放り込んで取材に向かう。これが私のスタイルだ。ところが最近、ちょっとした浮気心が芽生えた。そして昨日、手に入れたのがキャノンのG9X Mark2だ。コイツを選んだのには理由がある。
私ごとで恐縮だが、2018年2月に出版社を退社してから、雑誌編集だけでなく色々なことに挑戦しようと様々なプロジェクトを進めている。オリジナルのレザーJKTを製作したり、アンティークウォッチを扱う仕事も準備している。
現在、それらのアイテムを販売する私のオリジナルサイトを製作しているが、打ち合わせのひとコマ、アンティークウォッチの撮影、イメージ動画など、WEBサイトの構築には実に色々な要素が必要となる。通常の取材写真であれば今までのX-T1で十分だが、打ち合わせ中に突然カメラバッグからカメラを取り出すのも気が引ける。さらに、X-T1に装着可能なマクロレンズを持っていないため、腕時計の撮影に頭を悩ませる。
そこで目を付けたのががコンパクトデジカメだ。一眼レフやミラーレスより断然コンパクトで軽い。私が選んだG9X Mark2は、大きさは私が使う名刺ケースより小さく、重量は缶コーヒーよりも軽い206グラム(バッテリー込)だ。これなら打ち合わせの席で取り出しても、まったく違和感がなく、相手に気を遣わせることもない。マクロ撮影は最短5センチまで寄って撮影が可能なので、腕時計の撮影にも対応できる。
G9X Mark2は画像も美しい。デジカメには光を受光するセンサーがあり、センサーが大きければ大きいほど光を多く取り込め、表現力が豊かとされる。一般的なコンパクトデジカメでは1/2.3型と呼ばれるセンサーを使うが、このG9X Mark2では約4倍の1.0型センサーを採用している。XT-1のようなミラーレスに多用されるASP-Cサイズや、一眼レフなどのフルサイズには及ばないが、十分な高画質を実現する。
小ささ、画質に続き、私が惚れ込んだ理由。それがシンプルな操作ボタン。ボディ上部も背面も、見事にボタン類が少ない。機能は実に多彩だが、基本操作は至ってシンプルに行うことができる。
愛用、いや相棒のX-T1とは使用環境が異なるので、撮影対象に合わせて使い分けていきたいと思っている。缶コーヒーよりも軽く、名刺入れよりも小さいボディに、最先端のハイスペック。このG9X Mark2にも、日本の職人技が惜しみなく注ぎ込まれているのだ。