どんなモノでも気兼ねなく放り込めるトートバッグは確かに便利だが、実はトートバッグを敬遠する人も少なくない。その理由はいくつかある。
まずはカジュアル過ぎること。カジュアルバッグとして割り切るのであればいいが、時にはビジネスでも使える上品さを求めたい。次に、肩掛けに対する抵抗感。Tシャツやカジュアルウェアであれば肩掛けでも構わないが、上質なシャツやジャケットでは肩へのダメージが心配だ。
そんなトートバッグ敬遠派におすすめした逸品が、イタリアンレザーを贅沢に使ったこちらのレザートートだ。ボディにはイタリアの名門タンナー「バタラッシ・カルロ」のピッポ革を使用。独特な染色方法を採用するピッポ革は、色ムラや傷などを隠すことなくダイレクトに使うことで、革本来の風合いや経年変化を最大限楽しめる一流の革素材だ。
トートバッグの命とも言えるショルダーベルトには、同じくイタリアのタンナー「GB s.p.a」のフェニックス革を使っている。膨大な時間を掛けてオイルアップした革には油分がたっぷりと含まれる。5ミリ超という極厚レザーながら非常にしなやかで、折り曲げると内部の油分が走り、色が変わるほどだ。
まだまだセールスポイントはある。トートバッグは開口部を閉めることができない袋状のものが多い。気軽にモノを収納し、取り出せる点ではメリットだが、防犯面ではデメリットとなる。その点、このレザートートは上部にしっかりとジッパーが装着され、外から収納物が見えなくなっている。
モノにこだわる男にとって、タフさも欠かせないチェックポイント。このレザートートを見て頂ければわかる通り、極厚のベルトがハンドルからボディサイド、ボトム、そして反対側のボディ、ハンドルへと繋がっている。この構造により負荷はボディだけでなくベルトにも分散されるため、非常にタフなトートバッグとなっているのだ。
必要にして十分なマチを確保したレザートートはしっかりと自立する。バックルによってベルトを短く設定すれば肩掛けではなくハンドバッグとしても使えるため、ビジネスにも対応するはずだ。決して有名ブランドではないかも知れないが、「Made in Japan」の確かな品質を与えられた一流品と呼ぶに相応しいトートバッグである。(出典:メンズバッグ T-style)