千年の伝統を持つ鞄の産地、豊岡。その地で誕生したスーツケースが素晴らしい。ドイツにはリモワ、アメリカにはゼロハリバートンがある、だったら日本にもアルミ製のスーツケースがあってもいい。そんな「Made in Japan」の威信を掛けたプロジェクトによって誕生したスーツケースなのだ。
このスーツケースの特徴はボディが平面であることだ。凹凸のある造詣はプレスで簡単に実現可能だが、平面のアルミ無垢材を求めると一筋縄ではいかない。手の感触、眼の精度、そして経験が欠かせないのだ。製作はひとりの職人が全行程を行う。大量生産とはほど遠いプロダクトだ。
「使い手は世代を超えて」をテーマに掲げている通り、使い続けられる耐久性、そして使い続けたくなる味わいを追求した。素材にはアルミの無垢材。ハンドルにはエイジングを楽しめるヌメ革を採用。パーツのメッキにもこだわり、使い込むと程よく艶が消え、ヴィンテージライクなマットな質感を楽しめる。
スーツケースとしての機能性も忘れてはいない。容量は26リットル。もっとも使い勝手が良い機内持ち込みサイズだ。大口径の二輪キャスターは、四輪よりもはるかに耐久性が高く、不用意に動き出すこともない。
「MADE BY CRAFTSMAN」と名付けられたこのブランドは、2016年に立ち上げられたばかり。しかし「世界最高水準の日本の技術を世界に知らしめる」という確固たるミッションを掲げ、精力的に展開していくことは間違いないはずだ。モノにこだわる男の物欲を強烈に刺激するこの日本製のアルミスーツケース。もしかしたら歴史的なプロダクトになるのかも知れない。(出典:カバンのセレクション)
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